ハバロフスク駅前の「イロン・カビス」はおしゃれなオセチアパイの店です
ロシア人はパイ好きで、どの町にも必ず店があるそうです。なかでもオセチアパイ(осетинские пироги)と呼ばれる、もちもちした小麦粉の少し厚めの生地に、羊のひき肉やチーズ、ホウレンソウ、ジャガイモなど、さまざまな具を入れたパイが人気です。
ピザのように上に具をのせて焼くのではなく、生地で包んで焼きます。ランチやおやつ、オードブル、ワインのつまみなど、気軽に楽しめます。
ハバロフスク駅前にあるイロン・カビス(Ирон Кабис)は、オセチアパイの人気店です。
店内はとてもおしゃれです。
大きな編み笠を被ったような照明がおもしろいです。やっぱり若い女性客が多いですね。
オセチアはコーカサス地方にあり、パイ生地の表面の独特のエキゾチックな文様がすてきです。この店のメニューはとても豊富です。なにしろ生地や具材の種類が多いからです。
たとえば、オセチアパイは、肉入りと野菜ベースのものがあり、羊肉や牛肉、チキン、魚などから選べます。メニューをみると、肉とキノコ入り、肉とキャベツ入り、魚とタマネギ入り、魚とタマネギとジャガイモ入り、チキンとズッキーニ入り、チーズとホウレンソウ入り、ズッキーニとマッシュルーム入りなどがあります。
またチーズのみのものもあり、コーカサス地方の発酵乳飲料のケフィア入りというのもあります。
フルーツ入りの「ピローギ(Пироги)」」というパイも種類が豊富です。たとえば、ブルーベリー、チェリー、チェリーとイチゴ、プラム、リンゴと梅、リンゴとクルミなどから選べます。
またラバッシュ(Лаваш)と呼ばれるトルコやイランなどの中近東で食べられている平焼きのパンもあります。羊のチーズやニンニク入りがあります。
クタブ(Кутабы)と呼ばれる、ちょっと珍しいアゼルバイジャン風の三日月形の生地で包んだ具入りの料理もあります。
コーカサス風水餃子のヒンカリ(Хинкали)の具材も豊富。牛肉入り、ラム肉入り、チーズ入り、エビ入り、サーモン入り、キノコ入りなどさまざまです。
もちろん、コーカサス風ケバブのシャシリク(Шашлык)もあります。これと一緒にミートパイを食べるのが重いと思ったら、さきほどのクタブを付け合わせにするといいかもしれません。
前菜やサラダも、コーカサス風のトマトとオセチアチーズのサラダやチキンとベーコンのシーザーサラダ、バジル入り菜サラダなどいろいろ。ジョージアのスープ料理のハルチョーほか、各種スープも選べます。
この店の女性スタッフはとても親しみがあって感じがよく、英語も話してくれます。
これが店の外観です。同じビル内に映画館もあります。
店からハバロフスク駅までは徒歩2~3分です。駅に向かって歩いていくと、路面電車の停車場があり、そのすぐそばにハバロフスク駅があります。シベリア横断鉄道でウラジオストクに行くとき、夜行列車に乗る前に利用するのも便利です。
ところで、オセチアは黒海東岸とカスピ海西岸にはさまれ、コーカサス山脈中部に位置しており、ジョージアの北側にあります。
おいしいワインも産出しています。オセット人と呼ばれる人たちが居住しており、有名人としては、モスクワ生まれの世界的に著名なヴァレリー・ゲルギエフがいます。
オセチアパイの生地はシンプルなものです。小麦粉以外に、酵母や水、塩、砂糖を用意します。さらにミルクやケフィア、サワークリーム、タマゴ、バターなども入れます。
簡単にレシピを説明すると、まず生地用の小麦粉に少し温かいミルクをカップに注ぎ、砂糖小さじ1を溶かし、よく砕いた酵母を加え、混ぜます。 酵母は完全に溶けるまで混ぜましょう。
それを大きなボウルに注ぎ、タマゴやサワークリーム、ケフィアを追加します。そして、生地をこねていきます。このとき、必要以上にこねすぎないこと。このとき入れるバターのせいで、生地がだれてしまうことがあります。
生地ができたら、好みの具を入れて包みます。そして、オーブンで焼き上げます。温度は180℃。表面全体に色づいてくれば、温度を下げ、しばらくすると完成です。
(撮影/佐藤憲一)
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