野生のアムールタイガ―の生息地を訪ねるトレッキングツアー
年の瀬を迎えていますが、来年の干支は寅ですね。今回はハバロフスク発の野生のトラの生息地を訪ねるツアーの話をしましょう。
アムールトラ(Panthera tigris altaica、ウスリートラともいいます)は、世界最大のネコ科の動物です。この雄々しく美しい「ネコ」たちの主な生息域は、極東ロシアと中国東北地方の国境を流れるアムール川やウスリー川周辺のタイガ (針葉樹林) です。
雄は体長2.5m、体重300kgにも達するそうです。寒冷な地域を生息域としていることから、他の地域の亜種に比べて深く長い体毛をそなえています。夏は水辺を好み、水浴びもします。冬は雪と林の中に紛れて獲物を待ち伏せます。獲物は、同じ森に棲むイノシシやヘラジカ、ヒグマだそうです。すごいですね。
ところが、シベリア各地で森林伐採の進む現在、アムールトラたちは絶滅の危機に直面しています。トラたちを保護するさまざまな取り組みが行われていますが、大切なのは私たちが彼らの存在に関心を持つことではないでしょうか。
ハバロフスクの旅行会社ダリゲオ・ツアーが催行する「野生のアムールトラの生息地を訪ねるトレッキングツアー」は、トラの雄や雌、そして子トラが定住している狩猟地区の敷地内で行われます。場所はハバロフスク南東部へ120kmほど車で走ったタイガの中にあります。
ここに設けられたベースキャンプの木造のコテージには10人の旅行者が同時に宿泊できます。
狩猟小屋のスタイルで建てられ、一つひとつのインテリアが特徴を持っています。
森林へのツアーは、オフロード車かスノーモービルを利用して行われます。
ここでは、トラの通るルート沿いやマーキングをする場所、休息する場所の近くにカメラトラップが設置され、トラのモニタリングが行われます。
ツアープログラムには、アムールトラの保護プログラムの紹介、猟師の冬用仮小屋の見学、猟師たちとの交流、ガイド付きの森林ツアーが含まれます。
ガイド付きツアーでは、トラの生活を学ぶために、トラの獲物の捕食のやり方や縄張りにマーキングする方法がレクチャーされ、カメラトラップの設置とチェック方法を体験します。
以下はカメラトラップによって撮影されたトラたちの生態動画です。これは冬の森で撮ったもの。
こちらは夏の森で撮ったものです。
ツアーのベストシーズンは、11月15日から3月15日までの冬季と、8月1日から11月15日までの期間です。3月下旬から6月までの間は、雪が解けて道路が不通になるため、その時期を避けることをお勧めします。
季節により以下のオプションをプログラムに追加できます。
- 森林の動物界を解説
- ヒグマ、ツキノワグマの生態観察(夏季限定)
- 森林の中の養蜂場訪問、ハチミツ試食
- フィッシング(コクチマス、カワヒメマス)
- 猟師の冬用仮小屋見学(宿泊可能)
- 深夜の焚き火、ピクニック
- ベリーやキノコ、木の実などの採取(季節による)、それを利用した料理作り
- 射撃体験
- トラ追跡、カメラトラップのチェック
ツアー参加者の安全は、狩猟地区の管理者と野生動物に詳しく地域をよく知っている経験豊富な猟師たちが保証し、彼らの指導のもとで行われます。事前に安全に関するルール説明があります。
このツアーに関する問い合わせはハバロフスクの地元旅行会社ダリゲオ・ツアーにどうぞ。
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