ボルタリングの盛んな町、ハバロフスク近郊の絶景スポット
ハバロフスク市内から車で南へ約40分の場所に、アムール川の広大な流れや大ヘフツィール国立自然公園(Хехцирский государственный природный заказник)の大自然が一望にできる絶景スポットがあります。
ウスリースク市に向かう幹線道路を18㎞ほど走った先で、そこにはひときわ目を引く大きな岩山があり、「二人の兄弟の丘(ソプカ・ドヴフ・ブラチエフ/Сопка Двух Братьев)」という愛称で呼ばれる登山の名所です。
この岩山にはある言い伝えがあります。
昔この周辺に二人の兄弟と妹が家族と一緒に暮らしていました。あるとき、妹は森の中で道に迷い、家に帰れなくなってしまいました。彼女は高い場所から自分の家を探そうと思い、この丘に登りましたが、わかりませんでした。
だんだんあたりは暗くなり、家に帰れず不安になった彼女は泣き出してしまいました。すると彼女の泣き声があたりに響き渡り、やがて神聖な岩山に棲むとされる精霊の耳にも入りました。精霊は腹を立て、泣いている彼女を小鳥の姿に変えてしまいました。
夜になっても妹が戻らないことを心配した二人の兄弟は、妹を探しに森に入りました。そして、妹が身に着けていた髪飾りの赤いリボンが木の枝に引っかかっているのを見つけました。
近くにいると確信した兄弟は岩山に登ります。頂上から妹を探しますが、どこにも見当たりません。すると兄弟たちのそばに小鳥が飛んできて、頭上をずっと飛び回っています。よく見ると、なんとその小鳥には妹が着けていた髪飾りが結われていました。
これを見た兄弟たちは、この小鳥は自分たちの妹だと思い、岩山の精霊に妹を小鳥の姿から人間に戻してほしいと懇願しました。岩山の精霊は、兄弟の願いを聞き入れる代わりに、兄弟二人を岩に変えることを条件として提示しました。
この伝説の場所とされている岩山の頂上には、岩に変えられた兄弟の姿とされる縦に長い二つの岩が隣り合って立っています。
秋の天気の良い週末、ハバロフスクの人たちはハイキングやBBQを楽しむために「二人の兄弟の丘」を訪れます。
ふもとから見ると、とても頂上まで登るのは険しいように思えますが、頂上まで登る小道が整備されていて、20分程度で誰でも簡単に登ることができます。
登山のための特別な装備は不要ですが、岩場のため、肌をけがしないような服、歩きやすく滑りにくいシューズ、岩に手をついても痛くないように手袋を用意することをおすすめします。
また、この丘は外岩ボルダリングを楽しむスポットとしても知られていて、多くの人たちが練習のために訪れています。
東京オリンピックではスポーツククライミング競技が新たに追加され、日本でも近年ボルダリングが注目されていますが、ハバロフスクでも大会を目指している選手がいて、競技人口はかなり厚いといえます。
実際、ハバロフスクは人口約60万人の都市ですが、市内に整備されたボルダリングジムが多くあり、小さな子供から大人まで幅広い層の人たちが楽しんで利用しています。
以下、市内でボルダリングを楽しむことができるジムを2カ所紹介します。
●エクストリームセンター「Skala」(Экстрим центр СКАЛА)
床から天井までの高さが最大12.4mになる本格的なボルダリング施設。初心者向けから上級者向けまでさまざまなコースがあり、本格的にボルダリングをやりたい人も、初めてチャレンジする人も楽しむことができます。装備はすべてレンタル可能で、動きやすい服装さえ持参すればOKです。1回の利用料金は500ルーブルです。
●ボルダリング「Caver」(Скалодром КЭЙВЕР)
サッカー競技場のレーニンスタジアムのあるアムール川沿いの公園に隣接する極東国立体育アカデミー内にあるボルダリングジムです。コースや高さは「Skala」ほどではありませんが、市内中心部からもアクセスが良い立地です。施設はこじんまりしていますが、インストラクターが丁寧に案内してくれるので、初めてでも安心して体験できます。こちらの施設も、必要な装備はレンタル可能です。1回の利用料金は200ルーブルと割安です。
ハバロフスクを訪れた機会に、ハイキングやボルダリングなど、身体を動かすアクティブな体験をしてみるのはいかがでしょうか?
(Ayano)
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