食事や音楽も楽しめるロシア式サウナ「バーニャ」の夕べ
ロシアでは古くから健康と美容のため、サウナ文化が充実しています。ロシア式サウナは「バーニャ」と呼ばれ、ロシアの町にはどこにでもあります。
伝統的なバーニャは、丸太小屋の中に石組みの釜戸に入れた石に水をかけるスチーム風呂として使うサウナ部屋と、休憩用の部屋に分かれています。外は寒くても、屋内は暖かくてTシャツ1枚でも過ごせます。
スチーム部屋では、日本のサウナと同様、タオルを敷いた木製の腰かけに座って蒸気浴をします。ロシアでは白樺のはたきのようなもので、背中を叩いてもらうことがよくあります。ただでさえ熱い蒸気でほてったか体をはたくのですから、血行が良くなることはうけあいです。
ところが、そのあと、野外のプールの冷水に飛び込むというのも、ロシア的習慣です。心臓が弱い人は控えたほうがいいかもしれませんが、この快感が超絶忘れられないというロシア人の気持ちもわからないではありません。
今日ではバーニャは、サウナに入浴することだけが目的ではなく、家族や友人同士で食事を楽しみながら過ごす冬のエンターテインメントとなっています。
ハバロフスク郊外にある「グランプリ」では、伝統的な木造コテージの中でバーニャが体験できます。
ここにはロシアの伝統的な民族音楽の演奏家や歌手を呼んでミニコンサートを開くこともできます。これは町中のレストランではなかなか体験できないものです。
食事は伝統的なロシア料理を中心に、この写真のような、
コーカサス料理のドルマ(ブドウの葉にひき肉を包んだもの)やヒンカリ(コーカサス風水餃子)、中央アジア料理のポロウ(炊き込みご飯)など、さまざまな味覚が楽しめます。
このコテージには2階にベッドルームもあるので、宿泊も可能です。
1日のんびり家族や友人とバーニャでくつろぐというのが、ロシアらしい冬の楽しみなのです。
(撮影/佐藤憲一)
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