鉄道ファン必見!サハリン鉄道博物館オンラインツアー登場
サハリンの州都ユジノサハリンスクにあるサハリン鉄道歴史博物館(Музей истории Сахалинской железной дороги)は、鉄道ファン必見の場所です。
2004年にユジノサハリンスク駅のそばにオープンした同館は、サハリン鉄道の歴史を解説する豊富な資料や写真が展示されています。サハリン南部に現在の鉄路が敷かれたのは樺太時代(1905~45年)であることから、日本の鉄道史とも重なっているところが最大の特徴です。
展示室は①樺太時代、②ソ連時代、③サハリン鉄道を中心にした書籍や資料、地図が展示される3つの部屋に分かれています。そこには日本の鉄道関連書籍も置かれています。
これは樺太時代の豊原駅(現在のユジノサハリンスク駅舎とは違います)です。
これはソ連時代の展示の部屋です。
大正期から昭和初期にかけて日本で流行したサハリンの鳥瞰図(ロシア版)が目を引きます。
館長のアンドレイ・ニコラエヴィチ・チリキンさんは、長くサハリン鉄道に勤めた人物で、樺太時代の鉄道の歴史に関心を持ち、日本人の来訪を歓迎しています。
博物館のすぐ近くのユジノサハリンスク駅敷地内には、旧ソ連製の蒸気機関車やディーゼル機関車、樺太時代の日本の機関車など、サハリン鉄道の歴史を支えた車両が多数、野外展示されています。
車両を見学したければ、館長に頼めば案内してくれますが、ロシア語の通訳ガイドと一緒に行くことをおすすめします。
これは、19世紀にロシアで製造されたナローゲージの機関車「TU7-015」です。
機関車の背後にあるアーチ状の建造物は、トンネル掘削のときに使用されたフレームで、内側の正方形が樺太時代のもので、外側のU字型のものはソ連時代に拡張されたものだそうです。
注目すべきは、1939年に日本で製造されたラッセル車(雪かき車「輪島」)です。
車両の内部も見せてもらえます。
サハリン州政府観光省のプロモーター委託を受けているロシア専門旅行会社のJATMでは、サハリン鉄道博物館を実況案内するオンラインツアーを企画しています。
まず3月30日(火)11時から予定されているのは、『銀河鉄道の夜の舞台 』 サハリン、鉄道博物館から生中継⭐︎電車好き集まれ!春休み親子向け企画~zoom利用オンラインツアーです。
宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』は、かつて樺太と呼ばれていたサハリンへの鉄道の旅で構想を得たものです。この企画は、春休みということで、鉄道好きの親子が楽しめる内容になっています。
このオンラインツアーでは、先ほど紹介したユジノサハリンスク駅敷地内に置かれたSLやラッセル車などの車両を案内します。展示室も訪ね、樺太時代に活躍した日本人車掌の制服や持ち物などを紹介します。同館の館長も登場する予定です。
同社では、このツアーのポイントとして以下を挙げています。
・お子様と一緒に海外旅行気分が味わえる!
・質問やクイズもある参加型。オンラインで国際交流できるチャンスです!
・大人も童心に帰れる展示♪ 子供の頃に読んだ⁉︎宮沢賢治の童話も思い出そう!
・現地の日本語ガイドが生配信でご案内。
・日本からのサポートもあるので安心!ZOOMのチャット機能を利用してちょっとした豆知識も投稿していきます。
またお土産付きのプランを選んだ方には、ロシアの伝統模様の上にご自身の名前をロシア語で綴った缶バッジと博物館のSL写真が進呈されるそうです。
●予約はこちら
GW中の4月29日(木)11時から予定されているのは、サハリン鉄道博物館の大人向けツアーです。
こちらのツアーでは、野外に陳列される車両とともに、展示室で紹介されるサハリン鉄道の100年の歴史を詳しく解説します。
サハリン鉄道は、樺太時代に建設されて以来、長く旧国鉄やJR在来線と同じ線路幅(ゲージ)の1067mmでしだが、2016年頃からロシア規格の1520mmに変更する工事が進み、すでに完了しています。
展示に関する質問も受け付けているので、事前に用意しておくことをおすすめします。
●予約はこちら
ところで、これが現在のユジノサハリンスク駅で、モダンな駅舎に生まれ変わっています。
これは駅の構内です。ユジノサハリンスクからサハリン北部のノグリキまで夜行寝台列車が走っています。その話はまた別の機会に。
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