先住民族ナナイ人の住む村でルイベに似た伝統料理を味わう
アムール川流域には、多くの北方先住民族が住んでいます。
ハバロフスクから北東へ75km先のアムール川のほとりに、シカチ・アリャン(Сикачи-Алян)という名の小さな集落があります。そこに住むのは、ツングース系の先住民族ナナイの人々です。
彼らは古くから漁業や毛皮産業に携わってきました。アムール川やその支流のウスリー川の両岸に住んでいたことから、現在の中国側にも一部いて、中国ではホジェン族(赫哲族)と呼ばれています。
この村を訪ねるハバロフスク発のオプショナルツアーを今回は紹介します。グルメと生活文化を堪能できる充実したカルチャープログラムを体験できます。
朝、車でハバロフスクを発つと、午前中のうちにシカチ・アリャンに着きます。アムールの氷が本格的に溶けるのは4月に入ってからなので、川面は氷結しています。
この村の博物館は木造のコテージのような建物です。
庭にはシベリアンハスキーが飼われています。
博物館のクシナリョーワ・イリーナさんが民族衣装を身につけて出迎えてくれました。
この村を訪ねたツーリストがまず案内されるのは、ナナイ人の生活文化を展示するこの博物館です。ナナイ人の民族衣装やアクセサリー、この村の昔の暮らしの様子を撮った写真などが展示されています。
ここではナナイ人の伝統的な食事が楽しめます。なかでも名物の「タラ」は、アムール川でとれて冬場に冷凍保存されたコイなどの川魚を生食する料理で、アイヌのルイベとよく似ています。
地元の男性が作り方を実演してくれました。
まず凍ったコイをいったん水で溶かし、切り身にします。
食べやすいように細かく切れ目を入れていきます。
コイの表皮を炭火であぶり、塩やコショウをまぶして味つけします。
最後に細かく切って、タマネギなどと合えていただきます。
この料理は、凍らせた白身魚をスライスして食べるロシア料理のひとつ「ストロガニーナ」の元祖で、実は極東ロシアの先住民族の伝統グルメなのです。
口に入れるとシャリシャリしていて、生魚の身が口の中で溶けていく食感は日本人にとっても親しみのある味といえます。塩コショウと臭い消しのハーブで味つけされているので、生臭さはありません。そしてこれが、冷やしたウォッカのつまみに最高なのです。
こうしてパンの上に野菜と一緒に載せて食べてもおいしいです。
「タラ」をつくる実演の動画はこちら。
博物館の中にある調理場で、地元の女性たちが昼食の準備をしてくれました。
昼食には、この「タラ」以外にも、同じコイの切り身を揚げてカツレツ風にした「シャラバン」やキノコのサラダ、トナカイの肉入りスープがでてきます。
タイガの森でとれたキノコのサラダは、ハーブのディルをまぶすとロシア風の上品な味になります。
うれしいことに、どの料理も日本人の口に合います。なんといえばいいのでしょう。懐かしい味がするのです。
ドリンクも豊富に用意されています。イクラをつまみにウォッカをクイっといくのもいいですし、地場の新鮮なベリージュースやシベリア名物の「ベリョードヌイ・ソーク(берёзовый сок)」と呼ばれるソフトドリンクもあります。これは白樺の樹液を原料とする伝統的な飲み物で、ほのかに甘くさわやかな飲み心地があり、ミネラルが豊富な健康飲料です。
ベリョードヌイ・ソークについてはこちら。
これらの料理の説明を聞きながら、ゆっくり食事をいただいたあとは、ナナイ人の伝統的な遊戯、弓や砲丸投げ、鬼ごっこなどを体験することになるというのが、この先住民族カルチャープログラムの概要です。
ツアーの詳細は、現地旅行会社のポータル・セゾノフにお問い合わせください。
Портал сезонов | 旅行会社ポータルセゾノフ |
住所 | ул. Ленинградская, д. 58 |
URL | http://www.dvtravel.ru/jp |
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