アムールのほとりで味わうコサック料理ってどんな味?

コサック料理
グルメ

ブラゴヴェシチェンスク(Благовещенск)の2回目です。まずこの町の歴史を簡単に紹介するところから始めましょう。

ブラゴヴェシチェンスクの建設は1856年に始まります。ハバロフスクと同様、アムール川とゼヤ川という大河が交差する要衝を選んだロシアは、写真の展示のような木造の要塞を建設します。

ブラゴヴェシチェンスクの歴史、木造の要塞

その後、1858年に清国との間で締結されたアイグン(璦琿)条約により、正式にロシア領に編入されました。

この絵は、ブラゴヴェシチェンスクのアムール州郷土歴史博物館(Амурский областной краеведческий музей)に展示されている条約締結のシーンを描いたものです。左の人物は、ハバロフスクに銅像のあるムラヴィヨフ・アムールスキー東シベリア総督です。 

条約締結のシーンを描いたもの

1891年設立という歴史あるこの博物館には、アムール地方の自然や先住民族の文化、考古学、コサックが入植した近代以降の歴史を展示しています。

ブラゴヴェシチェンスクのアムール州郷土歴史博物館

要塞を造ったのは、コサックと呼ばれる人たちでした。彼らの起源は、15世紀以降、帝政ロシアの農奴制からウクライナと南ロシアなどに逃亡した農民や没落貴族たちの末裔で、19世紀に入ると、アムール川とその周辺地域に入植しています。

この3人のコサックが並ぶ銅像は「コサック入植記念碑(Памятник казакам-первопоселенцам Приамурья)」と呼ばれ、アムール地方に初めて入植したコサックの記念碑です。2014年に建てられました。
ブラゴヴェシチェンスクは、いわばコサックが造った町なのです。 

コサック入植記念碑

川沿いのレーニン通りに、伝統的なコサック料理を味わえるレストランがあります。

伝統的なコサック料理を味わえるレストラン

店の名前は「ルースカヤ・イズバ(Русская Изба)」。「イズバ」とは、ロシアの農民たちが住まう伝統的な丸太小屋のことです。この店自体はビルの1階にはめ込まれているように見えますが、通りに面した入口の小屋根や窓枠はロシア風の木彫りでかわいらしく装飾されています。

店に入ると、カラフルで伝統的なカーペットが壁に掛けられ、その反対に巨大なクマのはく製が手足を広げて貼りついていて、一瞬びっくりします。

店内の反対に巨大なクマのはく製

店内は、温もりを感じさせる木造の装飾が各所に施され、各テーブルを仕切る間仕切りやテーブルも木製です。壁や窓の前には、ロシアの農村の食文化を伝える台所用品や小物、お茶を入れるサモワールなどが置かれています。

店内は、温もりを感じさせる木造の装飾

この店の名物料理は、アムール風スープ入りペリメニ(ロシア風水餃子)で、つぼ焼きでつくります。

アムール風スープ入りペリメニ(ロシア風水餃子)

ペリメニについての紹介記事はこちら

シベリアの森を入植しながら東進したコサックたちにとって、ペリメニは常備食でした。彼らはクロテンなどの毛皮を獲るため、厳冬のシベリアに狩猟に出かけましたが、そのときペリメニを袋に詰めて持って行ったそうです。シベリアの凍てつく森は零下20度以下になるので、ペリメニは凍ったままで保存食になるからです。森で火を焚き、飯盒に入れた雪溶け水が煮え立つと、ペリメニを入れて食事にしたといいます。

以下、この写真の料理を簡単に説明します。左上から時計回りに、まずヴィニグレットサラダ(ビーツ入りのロシアサラダ)、豚肉と野菜のトマト煮のつぼ焼きのジャルコエ(жаркое)、そしてボルシチです。

古き良き時代のコサック料理をぜひ

右下は先ほどのつぼ焼きペリメニ、そして上に穴を開けて魚や肉、タマネギなどを入れて焼いたピロシキで、ラスーテゲイ(расстегай)と呼ばれています。見た目はジョージア料理のハチャプリに少し似ていますね。左下はペリメニに似たヴェレーニキ(вареники)で、ジャガイモやキャベツ、キノコ、チーズ、肉などが入った料理です。イチゴやさくらんぼを入れてつくることもあります。コサックたちが昔住んでいたウクライナ料理のひとつです。

この店では、ラズベリーやクランベリー、ブルーベリー、チェリーなどの自家製リキュールが楽しめます。

レストランのスタッフ達

ブラゴヴェシチェンスクを訪ねたら、古き良き時代のコサック料理をぜひ味わってください。

レストランの内装

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