ロシアのいまを撮る3人の企画展『Go To The Russia』が開催されました

ロシアのいまを撮る3人の企画展『Go To The Russia』が開催
アート

中古フィルムカメラの販売と修理を行う日暮里のユニークな写真店「三葉堂寫眞機店 」で、3月25日(木)から4月6日(火)にかけて、ロシアを舞台に写真を撮り続ける3人の企画展『Go To The Russia(Путешествия по России)』が開催されました。

留学、極寒の地、シベリア横断鉄道の旅と、それぞれ異なるロシアの旅を作品化したグループ展。タイトル内の”The”に込めたのは、”それぞれのロシア”に対する想いだそうです。 

まず「正方形の広場」と題された山端拓哉さんの作品から。

「ロシアでの留学中、いくつかの町に滞在する機会があった。どの町にも必ず広場があり、広場から教会に向かって、大きな通りがのびていた。私はそれに大きく感動した。自分が住んでいたウラジオストクでは、事あるごとに広場を横切らなくてはならなかった。市場も立つし、祭もある。町の中心にあるもんだから、何かと横切ると近道だし。そんな16ヶ月の留学生活を通して、私は異邦人でありつつも、町の一員になった気がして嬉しくなった」

ウラジーミル

ウラジーミル

ブルガーコフの家博物館

ブルガーコフの家博物館

モスクワ

モスクワ

港にて(ウラジオストク)

港にて(ウラジオストク)

次に「冬のヤクーツク」の松川信一郎さん。ヤクーツクは、シベリアの奥深くに位置するサハ共和国の中心都市で、厳寒の冬は町ごと氷に閉ざされているかのようです。そこから1000㎞北にオイミャコンという世界でいちばん寒い村があり、松川さんはその辺境の地を訪ねています。

「ヤクーツクでは、-50°Cという気温とは真逆に、街に暖かさがあり、人の優しさがあった。その温かさや優しさが気温の寒さを和らげている場所だと、僕は気づき撮影をした。極寒のヤクーツクの風景と、強く温かく生活している人たちの写真を通して、その土地を愛している人々の生活を感じてほしい」

ヤクーツクからオイミャコンに行く道の途中にあったキューバという名のカフェに併設されているガソリンスタンド(2020年1月2日)

ヤクーツクからオイミャコンに行く道の途中にあったキューバという名のカフェに併設されているガソリンスタンド

ヤクーツクでそりのベビーカーを押す男性(2020年1月4日)

ヤクーツクでそりのベビーカーを押す男性

ヤクーツクのバス停(2020年1月7日)

ヤクーツクのバス停

ヤクーツクの市場(2019年12月29日)

ヤクーツクの市場

「残像―サハリン、シベリア―」の小池貴之さんは、サハリンから船でロシア本土に渡り、シベリア横断鉄道に乗る旅の途上で撮った作品を発表しています。


「私の2度目のロシア行はサハリン(樺太)から始まった。ユジノサハリンスク(豊原)からホルムスク(真岡)、そこから連絡船でロシア本土の港町ワニノ、乗合バスでハバロフスク、そしてようやくシベリア鉄道に乗車し、イルクーツクを目指した。
 

明確な旅の目的はなかった。ただ、ところどころに点在する時間の残像が恋しかった。朽ちた建造物、錆、湿地、淀んだ水や空気、砂埃。そういう旅の目的としては重要ではなさそうな、どうでもよいことが各地のグルメや観光スポットよりも強く脳裏に焼き付いている。新しい世界を見たくて旅に出るのに、古い残像に魅力を感じてしまうのは矛盾しているようで面白い」

車窓(シベリア鉄道)

車窓

名前を忘れてしまった駅(シベリア鉄道)

名前を忘れてしまった駅

ウラン・ウデのレーニン頭像

ウラン・ウデのレーニン頭像

サハリンの旧王子製紙工場廃墟

サハリンの旧王子製紙工場廃墟

三者三様、それぞれのロシア旅。みなさんは何を感じたでしょうか。自分なら、どんな旅がしたいでしょうか。コロナで旅に出ること難しい今、来る日のためにしっかり心の準備をしておきたいものです。

右から松川さん、山端さん、小池さん。三葉堂寫眞機店ギャラリーにて

右から松川さん、山端さん、小池さん。三葉堂寫眞機店ギャラリーにて

●山端 拓哉 プロフィール

1988年 青森県十和田市生まれ
2011年 武蔵大学社会学部卒業
2016年10月~2018年2月 ロシア:ウラジオストクにて語学留学
2018年 暗室クラブ:おんたまに参加
2019年11月 フランス:パリ《FOTOFEVER》におんたまとして参加
2020年8月 六本木:フジフィルムスクエアにて個展『ロシア語日記』

写真家・山端さんの企画展「ロシア語日記」 | ウラジオストク チャンネル

●松川 信一郎 プロフィール

日本写真協会会員
1973年 東京都品川区生まれ
2011年8月 モスクワ、キエフ、リガで撮影
2017年8月 ハバナで撮影
2018年9月 ノリリスクで撮影
2018年12月 ウランバートルの遊牧民を撮影
2019年2月 グループ写真展 baseに参加
2019年9月 グループ写真展 borderに参加
2020年1月 グループ写真展 ミチに参加
Instagram:@axisrevo

●小池貴之 プロフィール

1980年 北海道函館市生まれ
1999年~京都、2005年~東京を拠点に写真作品を制作
2005年 立命館大学大学院理工学研究科修了

個展
2003年11月 「モノクローム」 (Photo Gallery ississ 京都)
2005年3月 「現れた瞬間」 (Photo Gallery ississ 京都)
2019年2月 「街と体温 – 香港 –」 (Paper Pool 東京)
2020年9月 「Домой – シベリア鉄道 –」 (Roonee 247 Fine Arts 東京)
2020年12月 「Домой – シベリア鉄道 –」 (Gallery Main 京都)
2020年12月 「Давай – シベリア –」 (八文字屋 京都)
こいけカメラ / Koike Camera

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